穴窯ってなあに?~西山窯跡を訪ねるツアー~
第14回秋季陶芸祭

10月3日、4日の両日、越前陶芸村において、第14回秋季陶芸祭が開催されました。
春は、県内の越前焼の窯元が中心の出店ですが、秋は、県内窯元はもちろん、他地域の陶芸家やクラフト作家の出店もあり、バラエティ豊かなお祭りです。
秋の爽やかな気候の中、多くのお客様が訪れていました。
もうすぐ改修工事に入り、休館する越前陶芸村文化交流会館では、
人気の好きなコーヒーカップでコーヒーやココアが飲めるコーナーで、この二日間は、文化交流会館のLINE登録されている方先着100名(両日それぞれ)に福井の銘菓「羽二重くるみ」がもらえるイベントが行われました。

私もなんとか100名に間に合い、美味しいコーヒーとお菓子を楽しむことが出来ました。
コーヒーカップは焔奏窯の福島繭子さんのかわいい作品。
陶芸祭では、茶会や陶芸体験など様々な催しが行われていました。
古窯博物館や越前陶芸村文化交流会館、だいこん舎さんでは、華展も開かれていました。

越前焼と秋の花のコラボ。
趣のある越前焼の花器としっとりとした秋の花々に魅了されました。
穴窯
越前焼が焼かれる窯には、いくつか種類があります。
電気窯 1000度~1250度で焼成可能で、小さなスペースでも使える。個人で所有し、日常的に使われていることが多い。
穴窯 楢やクヌギなどの薪を燃料にして焼成する。
高いところでは、1200度前後の温度を保つために、数日間薪を焚き続ける必要がある。
薪の灰が高温で溶けてガラス質の自然釉が出来たり、炎の当たり方で赤い色が生まれるなど、偶然出来る作品の面白さがある。
数日間昼夜を問わず焼き続ける必要があり、大量の薪が必要なためコストもかかる。
西山窯跡を見学するツアー
越前で発見された大釜屋と西山窯の二つの窯跡が令和8年度国の重要文化財に指定されました。
指定を記念して、この秋季陶芸祭では、西山窯跡を見学するツアーが1日3回全6回開催されました。
九右衛門窯

まずは、福井県陶芸館で穴窯について学びました。
陶芸館2階展示室には、越前焼研究家で知られる水野九右衛門氏が鎌倉時代の穴窯を参考に作られた「九右衛門窯」を再現した窯が展示されています。
穴窯の作りを知るには、この九右衛門窯の素晴らしいところは、普通は中が見えない穴窯の内部の断面が見られ、どのように陶器が並べられ、穴窯で焼かれていたのかを知ることが出来ます。

※有料エリアの展示なので一部モザイクをかけています。
今回は、越前焼工業協同組合の泉直樹代表がご案内くださいました。
穴窯の特徴としては、薪を入れる入口付近は、1250度前後の高温なのに対し、奥の方は比較的温度が低く、高温で焼きたい壺などは手前に、奥の方はすり鉢などが置かれていたことがわかります。
西山窯跡
今回認定を受けた2つの窯跡は、鎌倉時代から安土桃山時代にかけて使われていた穴窯です。
西山窯は、福井県の埋蔵文化財調査センターにおいて平成8年と平成25年に調査が行われ、3基の穴窯跡が発見されました。
時代は鎌倉時代中期頃、窯の大きさは12~14m。甕や片口鉢などの日用品が見つかりました。中には、犬のような動物の絵が描かれたものや人の顔のお面が出土しています。
陶芸村からはバスに乗って、西山窯跡に向かいました。
今回、このツアーでは、3日は、福井県の伝統工芸アイドルグループ「さくらいと」のメンバーが一人ずつ、4日は、彩葉わかなさんがガイドをされました。
バスの中では、越前焼に関するクイズがあったりと、参加者さんとの交流もあり、楽しいひと時を過ごしました。
西山窯跡は、織田小学校の近くにあり、公道に近いところにあるところから、比較的安全に見学ができ、参加者さんも気楽に参加できたのではないでしょうか。

西山窯跡では、織田文化歴史館の学芸員、村上さんと菱田さんがご案内くださいました。
西山窯跡には、3基の穴窯跡があります。
入っていった窯跡は、山の斜面に窪みがある場所。

使っていた頃は、陶器を入れる穴があったのでしょうが、長い年月を経たことで、天井部分はなくなり、床部分のみになっていました。
ここだけ見学したら、ただの山の斜面にしか見えないのですが、先ほど見せてももらった九右衛門窯のおかげで、かつて穴窯があったことを想像できます。
西山窯は、家族で焼いていた窯なので、一度に焼く量も少なかったようです。
後世になると奥まで何段にも重ねて焼いていた大きな穴窯が見られるようになりました。
こちらの窯跡からは、平成8年度の発掘調査で整理箱930箱に及ぶ大量の越前焼の破片が出土しました。
甕やすり鉢、壺が多く、それ以外には、陶硯、陶製面、経筒外容器なども出土しています。
それらには、鳥や蝶、いろはいほへとの文字が施されていたそうです。
この辺りを治めていた織田荘の領主は京に住んでいたので、当時都で流行っていたものを劒神社を通じて、西山窯の工人に作らせていたことが推測できます。
穴窯がどんなものだったのかを知ってから、窯跡を見学し、学芸員さんの説明を受けたことで、より深く理解し、鎌倉時代の越前焼を想像することが出来ました。
参加者の皆さんも笑顔で帰られました。
越前窯
それから約1週間後の10月9日~11日に開催された福井の伝統工芸を楽しむ催し「RENEW」の期間中、越前焼窯業指導所の敷地内にある穴窯「越前窯」において、実際に薪を入れて焼く作業が行われました。

大量の薪を使い、昼夜を問わず焼き続けなければならないこの作業は、人の力と経費もかかることから、一年に一度、このイベント期間にしか行われません。
窯業指導所の研修生や指導者、一緒に窯で作品を焼く陶芸家さんたちが交代で作業をされるそうです。
今回は、薪1本100円で薪を窯に入れる体験もしていました。
鎌倉時代から作られていた越前焼の歴史を知るとともに、当時使われていた道具や食器から、人々の生活に思いを馳せました。
陶あかりー光宿る、陶の庭―

会期 2026年10月9日(金)~2026年11月29日(日)の金、土、日、祝日のみ開催(11月2日は特別開放)
時間 17時~20時
会場 福井県陶芸館 幽石庭
料金 一般 500円 高校生以下300円 未就学児無料
手作りの陶あかりとイルミネーション、日本庭園を彩る音楽と光のハーモニー。
今年は、和の雰囲気でしっとりと陶あかりをお楽しみください。
夕暮れ時も素敵ですよ。
越前陶芸村
福井県丹生郡越前町小曾原6-12
電話 0778-32-3200
福井県陶芸館
福井県丹生郡越前町小曽原120-61
電話 0778-32-2174
営業時間9時~17時
陶あかりイベントは17時~20時
















