漁師町の郷土料理 せいげ鍋ってなに?!

大寒を過ぎ、今年は雪も少なく比較的暖かいですが、まだまだ寒い日が続いています。
気温が低い冬には、温かいものをたべるとほっとします。
せいげ鍋
越前町の郷土料理であるせいげ鍋を食べさせてもらいました。
せいげ鍋とは?
名前だけは以前から聞いていたのですが、私が住む山間部の織田では食べたことがないです。
漁師町に伝わる家庭料理でお店に行ってもなかなか食べられないようです。
食べさせてくださったのは、越前町で漁師をされている山下義弘さん。
幹昌丸という底引き網の船に長年乗られ、現在、底引きは二人の息子さんたちに任せておられます。
ひょんなことから知り合いになり、図々しくも「せいげ鍋を食べたい」とお願いしたら、なんと叶えてくださいました。
念願のせいげ鍋、わくわく、どきどきしながら食べに行きました。
山下さんにお聞きしたのですが、越前町で食べられるせいげ鍋には岩海苔が入ります。
越前海岸沿いの他の地域でもせいげ鍋を食べるところはあるのですが、岩海苔を入れないものもあるようです。
昔から岩海苔が採れたら「海苔わかそうか」と言ってせいげ鍋が作られたそう。
岩海苔は1月~2月にかけて海岸の岩場で採れます。
収獲した岩海苔には小石などが混じっているので、洗って取り除き、軽く干します。
越前町ではないのですが、先日越廼の民家前で偶然にも岩海苔を干しているところを見掛けました。
岩0海苔が採れる時期に食べられるせいげ鍋。
岩海苔と大根おろしやセイコガニが入り、味噌やしょう油で味付けされます。
家々によって味は微妙に違うそうです。
まずは、土鍋にたっぷりの大根おろしと水を入れ煮立てます。
それからセイコガニの身、内子、外子をたっぷりいれます。
今は、資源保護のためにセイコガニは12月末までしか獲れませんが、昔はもっと漁期が長く、3月くらいまで食べられていました。
岩海苔が採れるとセイコガニと一緒に鍋にしていたのでしょうね。
今回、年末に冷凍しておいたセイコガニをたっぷりと5杯分ほど入れてくださいました。
もうこれだけで美味しそうです。
なんとも贅沢ですねぇ。
その上にたっぷりの岩海苔を乗せます。
鍋が黒くなるくらいたっぷりと!!
12月で終わってしまったセイコガニと年明けに採れる岩海苔。
まさに奇跡のコラボ料理です。
味付けは、なっと味噌としょう油。
地域によっては、合わせ味噌を使うところもあるようですが、山下さんのお家では、なっと味噌を入れるそうです。
なっと味噌は、福井の人なら知っているはまな味噌のナスが入っていないものだそうです。
大豆麹が入った甘いお味噌とやはり自分好みのしょう油で味付けしていきます。
よく混ぜて、完成!!
うわあ!!
セイコガニの内子や外子の赤と岩海苔の黒、カニ身や大根おろしの白が混ざって、まるで宝石箱のようです!!
とってもおいしそうなせいげ鍋が完成しました!!
味はもう絶品!!
岩海苔とセイコガニの磯の香りがなんとも食欲をそそります。
そのままでも、ご飯に乗せてもとって美味しかったです。
きっとお酒のお供にも合うはず。
山下さんが持ってきてくださったがまえびの刺身。
鮮度が落ちやすいので、地元でしか味わえないえびです。
甘くてとっても美味しかったです。
念願のせいげ鍋を食べられて、とっても幸せでした。
福井に住んでいても、なかなか食べることが叶わない幻の料理です。
山下さん、ありがとうございました。
最近食べた美味しいもの
カレーとチャイ チョウジ
越前陶芸村内に新しいお店が出来ました。
チョウジというスパイスカレーが楽しめるお店です。
昨年12月26日にオープンしました。
越前陶芸村文化交流会館すぐ近く、以前はギャラリーだったところです。
お店に入ってみると、素敵な花やドライフラワー、インドな小物などが飾られ、カレーやスパイスの本も置かれています。
同じ越前町小曽原にあるDesign.labo.chicaさんが店舗デザインされ、オーナーさんと一緒にお店を改装されたそう。
Chicaさんの商品も売っています。
少し前のものですがDesign.labo.chicaさんをご紹介している記事はこちら。
さて、私が食べたのは、3種類のあいがけカレー
バターチキンカレー
花椒キーマカレー
舞茸ココナッツカレー
副菜、ライス付き
いろんなスパイスが使われていて、少しずつ違う味が楽しめます。
カレーとセットでプレーンなチャイかラッシーも頼むことが出来ます。
他にも様々なドリンクがあって、今度は違う味のチャイを頼んでみようと思いました。
越前町に本格的なカレーが食べられるお店が出来てうれしいです。
カレーとチャイ チョウジ
福井県丹生郡越前町小曽原7-38
営業時間 11:30~15:00
(L.O14:30 カレーがなくなり次第終了)
営業日はInstagramをご確認ください
Instagram: @chojispicecurryservice
十割蕎麦 だいこん舎
さていつも変わらず美味しい蕎麦が食べられるだいこん舎さん。
福井県民は、一年中冷たいおろし蕎麦を食べる人が多いです。
私もいつもはおろし蕎麦を食べてきました。
ただ、寒さが身に染みるお年頃になり、冬はちょっとつらくなってきました。
だいこん舎さんが昨年秋から始められた秋冬限定の温かいメニューがとっても嬉しいです。
まずは、純鶏とネギの蕎麦。
純鶏とは、親鶏のこと。
福井県民、この純鶏が大好きです。
歯応えがあって、噛めば噛むほど味わい深いです。
ネギは織田平等の室田さんのものです。
山椒が入って、優しい味わいのつゆがとっても美味しくて全部飲み干せそうです。
そしてにしん蕎麦。
北前船で運ばれてきた昆布と共に福井に伝わった北海道のにしん。
にしんの甘露煮と大根おろしがほっと出来てなんだか懐かしい味です。
寒い日には、温かいお蕎麦もどうぞ、もちろん冷たい蕎麦もありますよ。
十割蕎麦 だいこん舎
福井県丹生郡越前町小曾原120-3-20
0778-32-3735
定休日 月曜日
営業時間 11:00~15:00