越前町の海に見える古民家「料理宿やまざき」で特別なヒトトキを
越前町の魅力は、美しい越前ブルーの海と日本海で育まれた新鮮な海鮮。
美しい日本海を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができるお宿が越前町にあります。
海の見える古民家「料理宿やまざき」
海沿いでは珍しい、古民家宿をたっぷりとご紹介します。
歴史ある古民家を再活用した「料理宿やまざき」

「料理宿やまざき」は道の駅「越前」から車で約1分。越前海岸沿いにある古民家を移築再生したお宿です。
どんなロケーションにあるんだろうと思って向かっていましたが、越前海岸沿いを走ると必ず目に入っているお宿でした。海沿いの古民家と言うのは実は珍しいそうです。
言われてみると海岸沿いでは見慣れない外観が心に残っていたのかもしれません。一方で、違和感なく街中に溶け込んでいるようにも感じます。
玄関に入ると、ロビーのシルエットの奥に、越前ブルーの日本海が見えます。歴史ある木の質感があらゆるところに感じられる空間が広がっていました。
築140年の古民家を移築

「料理宿やまざき」さんの建物はもともと加賀にあった古民家だそうです。築140年ほどの古民家でしたが、使われている木材は100年もの。
天井を見上げると、なかなかお目にかかれない太さの立派な梁。200年以上の悠久の時間を感じることができます。
もともと、カニの缶詰工場があった土地に新築で木造の旅館を建てる予定だったそうです。
そんな折に、古民家再生の第一人者降幡廣信さんとのご縁がありました。お弟子さんから取り壊し予定の古民家のお話があり、移築へとつながりました。
古民家のご主人も「新しい息吹を与えられた」ととても喜ばれたそうです。
お宿の中を見せていただきましたが、とても大きなお住まいだったようで驚きました。
降幡先生は、古民家再生の上で新しいものと古いものを合わせてなじませるというお話をうかがいました。
古民家ならではの歴史ある雰囲気の中に、上品さやモダンさが漂っています。「料理宿やまざき」としての古民家の第2の人生をじんわりと感じました。

2010年にグッドデザイン賞も受賞。建物としては大変珍しい受賞です。昔からあるものを再生したという点も評価されたそうです。
これからの時代に求められる、サステイナビリティの先駆けと言えるかもしれません。
ご家族やご夫婦で過ごすと特別な時間に

「料理宿やまざき」に宿泊されるお客様は、ご夫婦やカップル、ご家族が多いそうです。お子様の宿泊は中学生から。
50~60代くらいの方が多いそうですが、古民家や古いものに興味がある20~30代の若い人たちが宿泊されることもあるそうです。
長期滞在は受け入れておらず、メインは1拍2日の宿泊。
結婚記念日やお誕生日のお祝いなど、人生の節目や特別な日を過ごしに来る方も。ここでしか味わえない時間は特別な思い出にぴったりです。
料理長自らが目利きをした新鮮な海鮮料理
「料理宿やまざき」の料理を作っているのも、ご主人の山崎さん。市場のセリに参加することができるので、仲買人の通さずに新鮮な魚を直接手に入れることができます。
目利きから料理まで山崎さんがすべてプロデュース。季節ごとの海鮮料理を心行くまで味わうことができますよ。
冬の味覚・越前ガニシーズンが人気
宿の人気のシーズンはやはり、越前ガニが最盛期を迎える11月から3月頃。特に12月までの年内に宿泊される方が多いそうです。
越前海岸の冬の味覚、越前がに漁は毎年11月6日解禁。これからが本番です。
「料理宿やまざき」の越前がに料理のおすすめポイントは2つ。
1つはゆでたての温かいカニが食べられるところ。漁港が近い越前がにの産地だからこそできる食べ方です。
もう一つは大きさ。一般的な旅館では700~800gほどのサイズが定番であるのに対して、「料理宿やまざき」で登場するのは1㎏級の大きな越前がに。これだけ大きいサイズは珍しいそうです。
お料理は基本2名様で茹でガニが1杯。残りの1杯をカニ刺しと焼きガニに。特別な日にぴったりのメニューになりそうですね。
四季折々の海鮮料理
越前ガニのシーズン以外にも、越前海岸ではさまざまな海鮮を楽しむことができます。
春はホタルイカやハタハタ。夏はアワビやサザエ。秋はノドグロやアンコウを楽しむことができます。
「料理宿やまざき」では、春先と秋、朝ごはんにアンコウ鍋が並びます。越前海岸でアンコウ料理が食べられることに驚かれる方も。
素材の良さがうまく伝わればいいな、という想いをこめて山崎さんが一品一品作るお料理。
じっくりと五感で味わいたいですね。
大切な人とのひと時を過ごす5つの客室

「料理宿やまざき」には5つのお部屋があります。そのうちの2部屋を2024年7月にリニューアル。
「あさぎ」と「くちなし」の2部屋にはテレビを置いていません。海を眺めたり、ソファでゆっくりしながら、ご家族や大切な人と普段できない会話を楽しんでほしい。
いつもとは違う空間だからこそ、心柔らかく、伝えたいことばもあふれてくるかもしれませんね。
趣ある5つのお部屋

5つのお部屋をそれぞれ見せていただきました。
まずはリニューアルした「くちなし」のお部屋。
広いリビングと寝室があり、どちらも和室です。寝室に並ぶのは和室に合うベッド。

リビングにはテレビがなく、大切の人とのひと時を過ごす穏やかな空間が広がります。座椅子に合わせたひじ掛けはお殿様のよう。
寝室に向かう廊下からは海を臨むことができます。気分や背丈に合わせられるイスと、ちょっとした飲み物を置けるカウンター。海を楽しむための最高の空間が用意されています。
柱は拭き漆で、とても落ち着いた雰囲気に。随所に越前和紙も使われいます。
台も廃材をおしゃれに利活用。SDGsにもつながっています。
「くちなし」にはお手洗いと洗面台が2か所あるので、2家族での宿泊にもおすすめです。

「あさぎ」は「くちなし」より小さめの2人部屋。海側のお部屋で、広縁にてゆったりくつろぐことができます。テーブルのかありにおかれているのは箱火鉢。古民家にもともとあった調度も随所に使われています。
「きゃら」は他のお部屋とはがらりと雰囲気が変わります。古民家の雰囲気を残しながら、少し北欧のような洗練された空間でもあります。

ベッドのデザインがユニークで、あえてこのお部屋を選ばれる方もいるそうです。

「きゃら」ではお部屋でお食事を楽しむことができます。自分たちだけの時間のじっくり楽しみたい方にはおすすめですね。

「しおん」は個室温泉風呂がついているお部屋です。お部屋で夕食も楽しむことができます。
寝室も和室も広く、ご家族やご夫婦でゆっくりと過ごすのにぴったり。お部屋の間取りから古民家の在りし日の姿を感じます。
最後は「こはく」。伝統的ン泡の雰囲気が美しい海側のお部屋です。
お食事処「利休 Rikyu」

2024年に誕生したお食事処「利休 Rikyu」。高い天井にたくましい梁の立派な大広間。
畳と襖の純和室に並ぶのは北欧・スウェーデンの椅子。
北欧デザインがしっくりと和の空間になじみ、上品さをさらに演出してくれます。
まるで、明治や大正時代の迎賓館に招かれたような特別な気持ちに。「利休」でいただくお食事は山崎さんのお料理をさらに引き立ててくれそうです。
日本海を臨む大浴場

「しおん」以外のお部屋に宿泊されたお客様は、大浴場を利用します。
温泉は「漁火」と同じくりや温泉。とろとろとしたお湯で、じっくり入ると体がぽかぽかになります。
大浴場の見どころは、浴槽から臨む日本海。お風呂の中央には大きな岩があり、そこに座るとちょうど水平線が見えるので、まるで日本海につかっているような気分を味わえるそうです。
「料理宿やまざき」だから味わえる特別な時間を

今回おうかがいして、私が一番心に残った空間がロビーでした。
見上げると立派な梁。窓から見える広大な日本海。お天気のよい日だったので、波も穏やかで越前ブルーの海が広がっていました。
中央の大きなテーブルも存在感があります。
入った瞬間から、日常とは違う時間が流れるようでした。140年と言う古民家の歴史を肌で感じているのかもしれません。
お部屋も、お料理ももちろん特別でここでしか味わえないものばかり。それ以上に、日常とは違う時間の流れや心の移り変わりも、ここでしか味わえないものかもしれません。
記念日はもちろんですが、「料理宿やまざき」で過ごす一日は新しい特別な日になりそうです。
新幹線の開通で、関東からのお客様も増えてきているそうです。また、これからは海外の方にも来てほしいとのこと。
趣ある日本のたたずまいは海外のお客様にも喜ばれるに違いありませんね。山崎さんが手がける、越前海岸の海の幸も日本の味として堪能してもらいたいです。
大切なひと時はぜひ、海が見える古民家「料理宿やまざき」へお越しください。
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料理宿やまざき
住所:福井県丹生郡越前町厨16-53-1
アクセス:ハピライン武生駅下車 福鉄バス「越前海岸線かれい崎」行乗車約60分 「大浜」下車後すぐ
TEL:0120-37-1016
営業時間:チェックイン:15:00 チェックアウト:10:00
定休日:水曜日・年末年始
HP:https://yamazaki-r.co.jp/
















