劔神社秋季例大祭
劔神社の秋季例大祭がおこなわれました。
織田に住む者にとっては、とても親しみがあり、神聖な神社である越前二の宮劔神社。
祭礼の紹介の前に、少し劔神社について調べてみました。
第7代孝霊天皇の御代、伊部の郷の住民が座ヶ岳(くらがたけ)の峰に素戔嗚尊(すさのおのみこと)の神霊を祀ったと伝えられています。
伊部という苗字は、織田によくある名前です(因みに、織田出身の私の父の旧姓も伊部です)
座ヶ岳社へいってきました。
座ヶ岳は、悠久ロマンの杜に行く途中、トンネルの手前で左に曲がります。
「劔大明神御旧跡」の石柱が目印です。
社の少し手前に駐車場があるので、車を降りて登りました。
今の季節は、熊が出ると怖いので、出来れば複数で行った方がいいです。
頂上には、座ヶ岳社が鎮座しています。
座ヶ岳社は、劔神社、敦賀の気比神宮(越前一宮)と地図上で一直線に並んでいると言われています。
御社からは、織田の町が見下ろせます。
第十四代仲哀天皇の皇子忍熊王によって
現在の劔神社の場所にご神体が移されました。
劔神社の御祭神は、主神に素戔嗚尊、配神は気比大神、忍熊王が祀られています。
劔神社は、奈良時代から越前一宮の気比神宮とともに北陸道鎮護の神として、朝廷に厚く崇敬を受けてきました。
※劔神社HPより
戦国の武将、織田信長の祖先が神官を司め、織田一族発祥の地とも言われています。
劔神社については、またいろいろとご紹介していきたいです。
さて、お待たせしました。
令和四年劔神社秋季例大祭が10月9日、10日の両日、執り行われました。
昔からこの日程は決まっていて、変更されることはないそうです。
9日午前、神事が厳かにおこなわれました。。
境内には、二基の御神輿が飾られました。
一基は、屋根に青雉の飾りのある劔大明神を奉ずるもの。
もう一基は、白雉の飾りのある気比大神を奉ずるものです。
製作は寛政4年(1792年)と言われ、越前町の文化財に指定されています。
お祭り以外の時は、境内の旧神前院護摩堂に納められています。
〖9日〗
午前10時~
例大祭神事
午後2時
織田地区の3保育園の園児による太鼓演奏など
午後3時
明神ばやしの奉納
明神ばやしは、昭和46年に県の無形文化財に指定され、毎年例大祭で奉納されています。
午後3時半~
獅子舞奉納(本殿)
60年に一度行われる御神幸(おわたり)の神事を告げる告獅衆(こくししゅう)の伝統を引き継ぎ、例年の例大祭には、劔神社敬神団によって獅子舞が奉納されています。大きな動きで勇壮に舞う獅子頭の姿に魅入ってしまいました。
舞の後は、獅子頭に頭を噛んでもらいました。
これで少しは頭がよくなりそうです。
〖10日〗
午後3時~
織田信長行列
町内の小学5年生~中学3年生が、織田信長や濃姫、お市の方などの一族、羽柴秀吉、前田利家などの関連武将、そして足軽隊などに扮して劔神社前通りをバスターミナルまで練り歩きました。
雨が降っていて、姫君方の衣装が見られなかったことは残念でしたが、その衣装や小道具がすばらしく、目が行きました。
足軽が持つ火縄銃は、実行委員の皆さんが手作りされたもので、弾こそ入っていませんが、音や煙が出る本格的なものです。すごい!!
バスターミナルでは、別のルートを回った今川義元の部隊が待ち構えていて、桶狭間の戦いが再現されました。
衣装もばっちり決まっていて、観ている親御さんたちも嬉しそうに見守っていました。
この日は、町内各所をだいずりが練り歩きます。
大きなトラックの荷台を装飾し、太鼓や笛、お囃子の子供たちを乗せて、演奏して回ります。
このだいずりは、織田に伝わる伝統的な太鼓です。
各地区では、夏の終わり頃から、子供たちが集落センターなどに集まり、毎晩練習をします。
かつては、織田地区全域6地区で演奏されていましたが、諸事情があり、
現在は、劔神社の氏子である3地区で演奏されています。
稚児行列
明神ばやし
少し暗くなり始めた5時過ぎから、信長行列、だいずり、明神ばやし、稚児行列が劔神社境内に入ってきました。
暗くなるとだいずりの提灯や電飾、そして演奏者の姿が良く見えて、お祭りも盛り上がります。
だいずりは、天をついたり、猫が耳を掻くようなしぐさや鍬や鍬を振り上げて働く様子など、農作業を元にした様々な動きが入っています。
その太鼓を叩く型は独特で、笛やお囃子も決まっていますが、それぞれの弾き手がアレンジを加えて演奏します。
織田の子供たちは、誰もが一度はだいずりの太鼓を叩いたことがあり、だいずり練習をする音がどこからか聴こえてくると、劔神社のお祭りの季節が近いことを感じます。
少子化や人口減少など、伝統芸能の伝承には、様々な問題がありますが、この先も、この劔神社のお祭りが受け継がれ、存続してくれることを願ってやみません。
劔神社の例大祭が終わると、織田の町にも本格的な秋がやってきます。
金栄山
丹生郡越前町織田113-1
電話0778-36-0404
FAX 0778-36-0902
アクセス JR武生駅より織田経由越前海岸行きバスに乗車
武生・鯖江ICより車で20分
駐車場 織田文化歴史館駐車場