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日本水仙の三大群生地・越前海岸
越前海岸は淡路島、房総半島とともに日本水仙の三大群生地のひとつとなっています。
特に越前海岸一帯に咲く日本水仙を「越前水仙」と呼びブランド化され、ここ越前海岸のみの特徴です。
越前町・南越前町・福井市にわたる水仙の作付面積は60ha以上あり、そのうちの約40haを越前町が担っています。
可憐な白い水仙の花は、見る人、訪れる人の心を純白に染めてくれ、妖精のように可憐に咲く花に魅せられた人は多く、昔からたくさんの歌や俳句が詠まれています。
越前水仙とは?
ヒガンバナ科のニホンズイセンで、越前海岸の水仙は「越前水仙」のブランド名で知られています。寒い冬と日本海の荒波に耐えて可憐に咲くその様子が、県民性と一致することから、福井県の花にも指定されていて、同時に越前町の花でもあります。生花としても人気が高く、関西を中心に、中京、関東等へ出荷されています。
【学名:ナルキッソス】
池に映った自分の姿に恋をした美少年ナルキッソスが、見とれている間にスイセンに変わったというギリシャ神話から。
ナルシストはうぬぼれの意味で、花言葉になっている。
梨子ヶ平周辺の水仙について文書に出てくるのは、享保10年(1725年)で、この年に福井藩の担当郡奉行の役宅まで水仙花を持参した記録が残っています。
<参考文献>昭和61年発行『福井県の歴史』より
甘くて爽やかな香り
日本海の潮風に揉まれて育つ越前水仙は、他の産地の日本水仙に比べ、花がひきしまり、香りが強く、日持ちと草姿が良いのが特徴です。たとえ雪が積もっても折れず、曲がっても雪がとければ起き上がり、茎が太く凛としています。越前水仙は、甘い香りが特に強く、12月~1月頃の開花シーズンには、越前海岸のあちこちで潮風に運ばれて甘い香りが広がります。
急斜面に広がる越前水仙
大正10年、梨子ヶ平(なしがだいら)地域に自生していた水仙を名古屋の生花市場に出荷したことから、この辺りの農家の間で水仙の栽培が本格的に始まり、急坂の山の斜面へと野生の水仙を植え替えが進みました。このことにより、今では水仙の一大群生地となり、越前海岸特有の急斜面に一面に咲き誇る独特な景観を生み出しました。
<参考文献>昭和61年発行『福井県の歴史』より
青と白と緑のコントラスト
もともと絶景で知られる越前岬周辺。水仙が群生する12月~1月にかけての晴れ間には、青い空と青い海、緑の葉に、可憐な白い花のコントラストが、見渡す限りの大パノラマに広がり、眺望スポットには多くの観光客が訪れます。
12月から1月にかけて海岸一帯に咲き誇る越前水仙の、素朴で可憐な姿をぜひご覧下さい。
越前水仙群生地マップ
越前岬周辺に広がる水仙は、越前岬水仙ランドから梨子ヶ平にかけて約6kmにわたり水仙畑が広がっています。
海岸沿いの国道からは水仙群生地のすべてを見ることができないので、越前岬水仙ランドより梨子ヶ平へと抜ける道がおすすめです。
※山側の水仙群生地を走る細い道は大型バス通行不可 ※すれ違い注意
≫越前岬水仙ランドについて詳しくみる
≫梨子ヶ平千枚田水仙園について詳しくみる
≫梨子ヶ平園地について詳しくみる
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